今回は、毎月必ずやってくるのに、意外と「よく分からないまま払っている…」という方も多いかもしれない「電気代」について掘り下げてみたいと思います。
特に、電気料金プランによく採用されている「三段階料金制度」。これを知っているか知らないかで、日々の電気の使い方や、もしかしたら支払う電気代も大きく変わってくるかもしれません。
「ウチの電気代、なんでこんなに高いの?」
「節約してるつもりなのに、思ったほど安くならない…」
そんな疑問をお持ちの方、必見です!この記事では、三段階料金の仕組みを超分かりやすく解説し、さらに具体的なシミュレーションを通して、「どこから高くなるのか」を皆さんに体感していただきます。これを読めば、あなたも今日から電気のプロ(!?)になって、賢く電気代を節約できるようになるはずです!
まずは基本から!電気代ってどうやって決まるの?
電気代の請求書を見てみましょう。そこにはいくつかの項目が並んでいますよね。主な構成要素は以下の4つです。
- 基本料金(または最低料金):契約しているアンペア数などに応じて毎月定額でかかる料金です。電気を使ったかどうかに関わらず発生します。
- 電力量料金:これが、皆さんの電気の使用量に応じて変動する部分です。そして、今回詳しく解説する「三段階料金」が適用されるのがこの部分です。
- 燃料費調整額:発電に使う石炭や原油などの燃料価格の変動を電気料金に反映させるためのものです。プラスになることもマイナスになることもあります。
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金):再生可能エネルギーを普及させるために、電気を使う人全員が負担する料金です。国が単価を定めており、使用量に応じてかかります。
この中で、私たちの使い方によって直接コントロールできるのが「電力量料金」と、それに連動する「再エネ賦課金」です。そして、この「電力量料金」の計算方法に「三段階料金制度」が登場します。
電気の「三段階料金」ってどんな仕組み?
さあ、ここが今回の記事の核心です!三段階料金制度とは、文字通り、1ヶ月の電気使用量に応じて、電力量料金単価が3段階に分かれている仕組みです。
具体的には、多くの電力会社で以下のように設定されています。
- 第1段階料金:使用量が比較的少ない最初の段階(一般的に ~120kWh まで)
- 第2段階料金:使用量が中くらいの段階(一般的に 121kWh ~ 300kWh まで)
- 第3段階料金:使用量が多い段階(一般的に 301kWh ~)
そして重要なのが、この単価が、第1段階 < 第2段階 < 第3段階 の順に高くなるということです。
つまり、たくさん電気を使えば使うほど、最後の「301kWhを超えた分」にかかる電気代の単価は、最初の「120kWhまで」にかかる単価よりもずっと高くなってしまうのです。
「え、同じ1kWhなのに、使う量が多いと高くなるの!?」
はい、その通りです。ここが三段階料金制度の最大の特徴であり、知っておくべきポイントなのです。
この仕組みは、電気を大切に使っている人の料金負担を抑え、大量に使う人にはそれなりの負担を求めることで、社会全体の省エネルギーを促進する目的があると言われています。
とは言え、私たちの暮らしには電気が不可欠。どこまでが「セーフ」で、どこからが「イエロー」や「レッド」ゾーンになるのか、感覚的に掴むのは難しいですよね。
そこで、実際に数字を入れてシミュレーションしてみましょう!
体感シミュレーション!120kWhと300kWhの壁
では、仮想の電気料金プランを使って、電気の使用量が増えると電気代がどのように変化するのかを見ていきましょう。
(※実際の電気料金プランや単価は、契約している電力会社やプラン、お住まいの地域、契約時期によって大きく異なります。ここで使用する単価はあくまで解説のための【例】としてご覧ください。燃料費調整額は計算をシンプルにするため±0円と仮定します。)
【シミュレーションに使用する仮想料金単価】
- 基本料金(30A契約の場合):1,000円
- 電力量料金単価:
- 第1段階(~120kWh):20円/kWh
- 第2段階(121~300kWh):25円/kWh
- 第3段階(301kWh~):30円/kWh
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:3.45円/kWh
再エネ賦課金は、電力量料金単価に上乗せされて請求されるイメージです。つまり、実際の1kWhあたりの負担額は以下のようになります。
- 第1段階:20円 + 3.45円 = 23.45円/kWh
- 第2段階:25円 + 3.45円 = 28.45円/kWh
- 第3段階:30円 + 3.45円 = 33.45円/kWh
どうでしょう?同じ1kWhを使うのでも、第1段階と第3段階では単価が10円も違いますね!塵も積もれば…を実感するこの差が、電気代を大きく左右します。
この単価を使って、いくつかの使用量を想定して料金を計算してみましょう。
まずは、月の使用量が少ないケースから。
ケース①:使用量 100kWh (第1段階のみ)
一人暮らしの方や、あまり家にいない方などに多いかもしれません。
- 基本料金:1,000円
- 電力量料金:100kWh × 20円/kWh = 2,000円
- 再エネ賦課金:100kWh × 3.45円/kWh = 345円
- 合計:1,000 + 2,000 + 345 = 3,345円
この場合の1kWhあたりの平均単価は、3,345円 ÷ 100kWh = 約33.45円/kWh となります。(基本料金や再エネ賦課金も含んだざっくりとした平均です。)
次に、最初の壁である120kWhを超えてみましょう。
ケース②:使用量 130kWh (第1段階 + 第2段階)
第1段階の120kWhを超え、さらに10kWh使った場合です。
- 基本料金:1,000円
- 電力量料金:
- 第1段階分(120kWh):120kWh × 20円/kWh = 2,400円
- 第2段階分(130 – 120 = 10kWh):10kWh × 25円/kWh = 250円
合計:2,400 + 250 = 2,650円
- 再エネ賦課金:130kWh × 3.45円/kWh = 448.5円 → 449円(小数点以下切り上げの場合)
- 合計:1,000 + 2,650 + 449 = 4,099円
ケース①の100kWhから30kWh増えただけですが、料金は約754円増えました。増えた30kWhにかかった電気代は、厳密には再エネ賦課金も考慮すると、最初の10kWhは(20+3.45)円、次の20kWhは(25+3.45)円がかかっています。
特に、121kWh目からの10kWhは、電力量料金単価が20円から25円に上がった部分ですね。
さあ、次はもう一つの大きな壁、300kWhを超えてみましょう。ここからが要注意です。
ケース③:使用量 320kWh (第1段階 + 第2段階 + 第3段階)
平均的なファミリー世帯で、少し電気を多く使った月などにありえる使用量かもしれません。300kWhを超えて、さらに20kWh使った場合です。
- 基本料金:1,000円
- 電力量料金:
- 第1段階分(120kWh):120kWh × 20円/kWh = 2,400円
- 第2段階分(300 – 120 = 180kWh):180kWh × 25円/kWh = 4,500円
- 第3段階分(320 – 300 = 20kWh):20kWh × 30円/kWh = 600円
合計:2,400 + 4,500 + 600 = 7,500円
- 再エネ賦課金:320kWh × 3.45円/kWh = 1,104円
- 合計:1,000 + 7,500 + 1,104 = 9,604円
第3段階に突入したことで、最後の20kWhには電力量料金単価30円が適用されています。
もし、同じ320kWhすべてが第1段階単価(20円)だったら…
(120 * 20) + (200 * 20) + (320 * 3.45) = 2400 + 4000 + 1104 = 7504円
と、単純計算ではなりますが、三段階料金の仕組みではそうはなりません。
実際の負担額は、第1段階~第3段階それぞれの単価と使用量が積み上げられて計算されるため、最後の301kWhからの分が「一番高い単価で計算される」という事実が、合計金額に大きく影響するのです。
シミュレーション結果まとめ
表で見てみましょう。
| 使用量 | 基本料金 | 電力量料金内訳 | 電力量料金合計 | 再エネ賦課金 | 合計 | 1kWhあたり 平均単価(目安) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100kWh | 1,000円 | 100kWh × 20円 | 2,000円 | 345円 | 3,345円 | 約33.45円 |
| 130kWh | 1,000円 | 120kWh × 20円 + 10kWh × 25円 |
2,650円 | 449円 | 4,099円 | 約31.53円 |
| 320kWh | 1,000円 | 120kWh × 20円 + 180kWh × 25円 + 20kWh × 30円 |
7,500円 | 1,104円 | 9,604円 | 約30.01円 |
(※上記はあくまで【例】での計算であり、実際の請求額とは異なります。特に燃料費調整額や自治体によっては異なる計算方法の場合があります。)
この表を見ると、130kWhの時点ではまだ平均単価は比較的抑えられていますが、320kWhまで増えると、第3段階料金の割合は少なくても、合計金額が大きく跳ね上がることが分かります。特に、300kWhを超えた分の電気の「単価」が最も高い、という点が重要です。
つまり、電気をたくさん使えば使うほど、最後の「増えた分」が家計にズシッと重くのしかかってくる、ということです。
逆に言えば、この「300kWhの壁」、さらには「120kWhの壁」を意識することが、電気代節約の鍵となります。
ここがポイント!
三段階料金制度では、特に300kWhを超えた分の電気代単価が一番高い! 月の電気使用量が300kWhに近い、あるいは超えている方は、その「最後の数十kWh」をいかに減らすかが節約効果を大きく左右します。
三段階料金の仕組みを理解したら、どう節約に活かす?
三段階料金の仕組みと、使用量が増えるほど単価が高くなる「壁」があることが分かりました。
これを踏まえて、どんな節約ができるでしょうか?
やみくもに電気を消すだけでなく、「どこで」「どうやって」電気を使うかを意識することが重要です。
1.まずは自分の家の使用量を知る
毎月の検針票や、電力会社のマイページで自分の家の電気使用量を確認してみましょう。平均的にどのくらいの量を使っているのか、季節によってどう変動するのかを把握するのが第一歩です。
もし、常に300kWhを超えているようなら、第3段階料金の負担が大きくなっている可能性が高いです。200kWh台後半が多いなら、少しの意識で300kWh未満に抑えられるかもしれません。
2.「大物」家電の使い方を見直す
家庭で電気を多く使う家電製品を知りましょう。
- エアコン(冷暖房)
- 冷蔵庫
- 照明器具
- テレビ
- 電気温水器、エコキュート
- 洗濯乾燥機
特にエアコンや電気温水器などは、使用量が多い傾向にあります。これらの使い方を工夫することが、総使用量の削減に繋がりやすく、結果的に高い単価の第3段階料金を減らすことに繋がります。
- エアコンの設定温度を適切にする(夏は28℃、冬は20℃目安)
- フィルターをこまめに掃除する
- 古いエアコンは省エネ性能の高い製品への買い替えを検討する
- 冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない、開閉時間を短くする
- 照明をLEDにする
- 使用していない家電はコンセントから抜く(待機電力の削減)
- 電気温水器の沸き上げ設定を見直す
3.ピーク時間帯を避ける(※標準的な三段階料金プランの場合)
これは「時間帯別料金」のプランと混同しやすいですが、標準的な三段階料金プランでも、一般的に日中の活動時間帯(特に夏や冬の午後)は家庭全体の電気使用量が多くなりがちです。
洗濯乾燥機や食洗機など、ある程度まとまった電気を使う家電は、可能であれば家族があまり活動しない時間帯(朝や夜間)に使うなど、同時に複数の家電を使う時間を減らす工夫も効果的です。
ただし、これは時間帯によって単価が変わる「時間帯別料金プラン」ほど厳密に考える必要はありません。あくまで「総使用量を減らす」ための工夫として有効です。
4.契約プランを見直す
電力自由化により、様々な電力会社や料金プランが登場しています。もし、家族構成や生活スタイルが変わったのに何年も同じプランを契約しているという場合は、見直しを検討する価値は大いにあります。
もしかしたら、三段階料金ではない、時間帯によって単価が変わるプランや、特定の使用量まで定額のプランなど、あなたの家庭の使い方に合った、よりお得なプランが見つかるかもしれません。
ただし、燃料費調整額や再エネ賦課金はどの会社でもかかりますし、電源構成や市場価格の変動によって料金は変動します。シミュレーションをしっかり行い、慎重に比較検討することが大切です。
まとめ:三段階料金を知って、賢く電気を使おう!
今回は、電気の三段階料金の仕組みと、120kWh、300kWhという「壁」がいかに電気代に影響するかをシミュレーションを通して見てきました。
多くのご家庭で採用されているこの仕組みを理解することは、「なぜか電気代が高い月がある…」という疑問を解消し、具体的な節約行動に繋げるための第一歩です。
特に、月の電気使用量が300kWhを超えることが多い方は、検針票をチェックし、「第3段階料金」が適用されている量を減らすことを意識するだけで、大きな節約になる可能性があります。
今日からぜひ、ご自宅の電気の使い方を少しだけ意識してみてください。小さな工夫の積み重ねが、未来の電気代明細にきっと良い変化をもたらしてくれるはずです!


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